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基礎研究-laboratory study-

金魚の腸内でエサがどうなっているか?浮上性と沈下性の比較

金魚の腸内変化試験

浮上性の飼料と沈下性の飼料で金魚の成長や消化が違うと言われています。
浮上性と沈下性の飼料を与えて金魚の体内でどう変化するか観察しました。


これ以降のページは、解剖による金魚の腸内を観察した写真を掲載しています。
浮上性と沈下性の飼料を与えて金魚の体内でどう変化するか観察しました。




不快な写真(生体解剖写真)などが含まれています。
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試験条件

水温:20℃
試験魚:オランダシシガシラ
飼料:咲ひかりSサイズ 浮上性・沈下性


試験結果

餌を与えた後、一定時間ごとに魚を解剖して腸の中の飼料の状態を観察しました。
咲ひかりの場合、沈下性の粒の方が若干固いですが、給餌30分後にはどちらの粒もほとんど液状化しており、明確な差は認められませんでした。

金魚などコイ科の魚は咽頭歯を持っており、エサを粉々にして食べるため、浮上・沈下の違いによって消化が変わることは、ほとんどなさそうです。 別の実験で浮上性と沈下性で成長に差がないことも確認されています。


(写真では各時間に1個体しか写っていませんが、試験は複数個体で行い標準的な写真を使用しています。)

経過時間
(hrs)
咲ひかり育成
沈下S
咲ひかり育成
浮上S
0.3
  • 消化管前部固形状の粒がはっきり残っている

  • 消化管前部固形状の粒がわずかに見られた

  • 別個体。固形物が確認される

0.5
  • 内容物が消化管中部へ進む。液状化し、 固形状の粒は見られなくなった。

  • 内容物は消化管中部へ進む。液状化し、固形状の粒は見られなくなった。

1
  • 内容物先端は消化管中後部に到達。液状から、再びフンに近い固形状に変化している。

  • 内容物先端は消化管中部。透明な膜状のチューブに包まれ、気泡が見えた。

2
  • 内容物先端、消化管後部に移動。この個体はまだ内容物が液状。

  • 内容物の先端は消化管後部に移動。この個体は既に内容物が固形化しつつある。

3.5
  • フンとして排泄可能な状態に変化している(画面上の黒いものは撮影中に押し出されてしまったフン)。管内の内容物もフンに近い性状。

  • 消化管末端に到達、フンとして排泄可能な状態に変化している。管内の内容物もフンに近い性状。