世界のブランド「Hikari」私たちキョーリンは観賞魚用飼料のパイオニア企業です。

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『ひかりクレストプレコ』開発秘話

理念は一緒。「われわれでしか作れない餌を!」
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開発期間は何年だったのですか。
山本
2年ほどでした。ちゃんとした商品を開発することに会社側も理解してくれて、当時はもっと開発期間は短かったのですが、この時は開発と実験に時間や経費を掛けさせてもらいました。現在では研究室が完備されていますので、実験とデータに基づいた商品開発が進められています。
水上
鯉の餌は、いままでの養殖の歴史などがあり、基本ベースがしっかりしています。ですが、プレコの餌はなんら土台がないところからスタートしています。一方で売り出したからには、何十年でも売れる商品でなければなりません。そのためには、他社で真似できない特性を商品に持たせる必要があります。
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Hikariブランドの餌は、錦鯉の「ひかり胚芽」をはじめとして、いずれも息の長い商品が多いという印象をもちます。
水上
営業としては、新商品を出してどれだけ売るかではなく、いかに新商品を育てていくかを考えます。営業スタッフにも、「売上げの数字だけを追うのではなく、商品を自分で育てろ」と言います。
山本
開発側としても、社員の育てがいのある商品を提供しようと思っています。
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商品を育てる……?
水上
つまり営業側も、自分が納得しないと商品を売らないのですよ。単に新商品を押し付けて来られても、営業スタッフが納得できないと「これはうちの商品じゃありません」と、商品を付き返してきます。営業スタッフは、キョーリンの餌そのものに誇りを持っています。「キョーリンでしか作ることのできない商品・売ることのできない商品」でなければ、決して動こうとしません。
商品に特性なり、秘訣なり、メリットなり、市場にアピールできるところがない限りは、キョーリンの餌としては出したくない気持ちがあるのです。逆に、「クレストプレコ」のようにしっかりした商品であれば、ある程度時間かかるかもしれませんが、ゆっくり育てていけば、間違いなく答えが出ると思っています。
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そういった営業部門と開発部門の意見交換はどのようにされているのですか。
水上
月に一度、神畑養魚・キョーリン・キョーリンフードの各部長が集まり、その時々の問題点を持ちあって、意見交換をしています。神畑養魚からは生体の出荷状況が報告されたり、キョーリンからは市場動向の話が出たり、キョーリンフードからは原材料などの調達についての発表があったりします。
山本
会社は別ですけど、商品に対する理念は、基本的に一緒です。品質や製造にこだわった商品を作ろうという認識の上で、話が進みます。たとえば製造が営業に注文を出しても、その認識の上であればちゃんと理解してくれますし、逆に営業から製造に理念に基づいた要望が来た場合は、きちんと反映していきます。その理念がなければ、おそらく水と油になってしまうかも(笑)。
「いい餌を作ろう、長く売れる餌を作ろう」という理念が共通しているので、話がしやすいのです。
水上
それが私たちの商品の開発力になっています。
他社との相違点を考えたとき、神畑グループは神畑探検隊などで、実際に魚の生息する現地まで足を運んで、生体を知り尽くしている強みがあります。本来の棲息環境や食性を知ることで、グループ各社の情報源として役立っています。私も探検隊に参加したことがありますが、実際に現地で見るのと、雑誌などで読むのとはまったく違うことがありますよ。
神畑養魚は生体を知り、キョーリンは市場を知り、キョーリンフードは製造技術を熟知しています。これが神畑グループの最大の強みだと思います。
山本
そうですね。神畑養魚には、大量の魚を扱っているスタッフが大勢います。彼らは管理のプロと言ってもいいです。その彼らに、キョーリンフードからは下手な餌を出せません。言ってみれば、もっとも厳しいユーザーがグループ内にいるわけです。そこをクリアしない商品は市場には出されません。
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なるほど、高い関門がグループ内にあるわけですね。
水上
いまでもプロジェクトを組むと、その道のスペシャリストが多方面から集合します。そこで誰か一人でも「いやこれでは……」と納得しなければ、プロジェクトはストップします。プロジェクトメンバーがみな納得してからでないと、進むことはできません。それは単なる反対ではなく、「商品を育てよう」という理念から妥協したくないのです。逆に、そこをクリアして市場に出た商品は、結果的にベストセラーやロングセラーになっています。
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よくわかりました。最後に、「クレストプレコ」を発表されてからの評判はいかがでしたか。
水上
おかげさまで、たくさん、好評の声が寄せられました。日本国内だけではなく、海外、とくにアメリカでの評価が高かったことは嬉しかったですね
山本
「クレストプレコ」が、年間100トンもの出荷量を誇る定番アイテムに育ったことは、開発したスタッフにとっては非常に嬉しいですよ。

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